SUBHUMANS
SUBHUMANS
思想とメロディを両立させた、UKアナーコパンクの完成形
1980年、イングランド・ウィルトシャーで結成された
Subhumans。
Crass〜Conflictと並ぶアナーコパンクの中核として、
単なるハードコアでは終わらない思想性と構築性を持ったパンクを提示したバンドである。
■ アナーコパンクの中でも異質な存在
Subhumansは、いわゆるUK82の流れに属しながらも、
単純なスピードや攻撃性だけに頼らない独自の立ち位置を確立していた。
- ・社会批判を軸にしたリリック
- ・メロディと展開を重視した楽曲構成
- ・時にプログレ的とも言える長尺曲
これらの要素によって、
同時代のバンドとは一線を画す存在となる。
■ “Dick Lucas”という思想の体現者
フロントマンである
Dick Lucasは、
単なるパンクボーカルではなく、
明確な政治意識とメッセージを持った表現者だった。
彼のリリックは、
- ・社会構造への疑問
- ・権力への不信
- ・個人の自由
といったテーマを一貫して描き、
バンドをアナーコパンクの中心へ押し上げた。
■ 名盤『The Day the Country Died』
1982年にリリースされたデビューアルバム
The Day the Country Died
は、アナーコパンクを代表するクラシックとして広く認知されている。
さらに1984年の
『From the Cradle to the Grave』では、
約17分にも及ぶタイトル曲を収録。
これは「パンク=短く速い」という固定観念を壊し、
表現としてのパンクの可能性を拡張した象徴的作品となった。
■ DIYとコミュニティ
Subhumansは自らのレーベル
Bluurg Recordsを設立し、
カセット文化やローカルシーンを支えるなど、
DIY精神を実践レベルで体現した。
また、Flux of Pink Indiansらとの関係も深く、
アナーコパンクのネットワークの中で活動を広げていく。
■ 解散と再生、そして現在
1985年に一度解散するも、
- ・1991年
- ・1998年
- ・2004年以降(本格再始動)
と断続的に復活。
2007年には『Internal Riot』、
2019年には『Crisis Point』をリリースし、
現在も活動を継続している。
■ 影響と評価
Subhumansは、
- ・Neurosisのような異ジャンルのバンド
- ・Queens of the Stone Ageによるカバー
など、時代やジャンルを越えて影響を与えている。
■ まとめ
Subhumansは、
「速くて荒い」だけではないパンクの可能性を提示したバンドだ。
アナーコパンクの思想を軸にしながらも、
構築的でスケールのある楽曲を生み出し、
結果として
UKハードコアとアート性の橋渡し的存在となった。
その音は今なお、
クラスト、ポストハードコア、さらにはメタルにまで影響を与え続けている。