ミドリ
ミドリ(Midori)
大阪発、ジャンルをぶち壊した“パンクジャズ”の異端児
2003年、大阪で結成されたバンド「ミドリ」。
ハードコア・パンクを軸にしながら、ジャズ、プログレ、ノイズを強引に混ぜ込んだその音は、当時の日本シーンでも完全に異質だった。
■ 概要
ミドリは、ボーカル/ギターの後藤まりこを中心に結成されたバンド。
セーラー服姿で絶叫しながらギターをかき鳴らすという強烈なビジュアルと、制御不能なライブパフォーマンスで一気に注目を集めた。
そのサウンドは一言では括れない。
パンク、ジャズ、ノイズ、歌謡曲…すべてを飲み込んだ“ぐちゃぐちゃなのに成立している音楽”。
いわゆる「パンクジャズ」という文脈で語られることも多い。
■ メンバー(最終編成)
- Vo/Gt:後藤まりこ
- Dr:小銭喜剛
- Key:ハジメ
- Ba:岩見継吾
後期はピアノやコントラバスを取り入れ、よりカオティックでジャズ寄りのサウンドへ進化していった。
■ 来歴
もともとは“歌謡曲のコピーバンド”としてスタート。
しかし早々にオリジナルへシフトし、独自の音楽性を確立していく。
2007年にはメジャー進出。
圧倒的なライブパフォーマンスと作品群で評価を高めるも、2010年12月30日のワンマンライブをもって解散。
■ サウンド / スタイル
ミドリの核は“衝動”。
- ハードコア・パンクの暴力性
- ジャズ由来の即興性
- プログレ的な展開の複雑さ
- 歌謡曲的メロディ
これらが同時に存在する。
後藤まりこ自身は「自分たちはパンクバンド」と語りつつ、そのパンクは“孤独で歪んだもの”だと表現している。
■ ライブ
ミドリを語るうえで外せないのがライブ。
- スピーカーによじ登る
- フロアに突っ込む
- 流血レベルのパフォーマンス
観る側にも“覚悟”を要求するタイプのバンドだった。
単なる激しさではなく、感情の爆発そのものを見せるライブ。
それがミドリの本質。
■ 代表作
- 『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』
- 『shinsekai』
特に『shinsekai』は、カオスとポップのバランスが極まった一枚。
■ 評価 / 立ち位置
「大阪のいびつなJUDY AND MARY」とも呼ばれたが、その実態はもっと過激。
ジャンルの枠に収まらない存在として、
日本のアンダーグラウンド〜オルタナティブシーンに強烈な爪痕を残した。
■ まとめ
ミドリは“聴きやすいパンク”ではない。
むしろ、
感情をそのまま音に叩きつけたようなバンド。
整っていないからこそリアル。
壊れているからこそ美しい。
パンクの“衝動”を極限まで拡張した、日本でも数少ないバンドのひとつ。